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私の考える企業論・仕事論・人材論

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人材・組織・技術を磨き、
超低温液化ガスの配送で
日本一の会社に

日酸運輸のトップに登場いただきました。会社を将来にわたり持続的に成長させるために、どのようなことを考え、実行しているのでしょうか。日酸運輸の現状と、これから目指す方向性について、率直な話をうかがいました。

1日酸運輸とは

Q日酸運輸とはどのような会社ですか?

産業や医療に不可欠な酸素・窒素・アルゴンを
安全・安心に届ける

日酸運輸は、産業ガスメーカートップの大陽日酸株式会社(以下、大陽日酸)100%出資の運輸会社です。1953年、日本酸素株式会社(以下、日本酸素)(※1)の出資で、同社の圧縮ガスおよび取り扱い商品の輸送を目的として設立されました。現在は、荷主である大陽日酸の超低温液化ガスを、約130台の自社タンクローリにより、主に関東一円のユーザーに配送しています。
配送するガスは、産業分野や医療分野に不可欠な液化酸素、液化窒素、液化アルゴンで、工場や病院、研究所など数多くのユーザーニーズに合わせて安全・安心に届けることを使命としています。このほか特殊ガスについても、協力会社3社と提携し、ガスシリンダー(※2)での配送を行っています。
また、超低温液化ガスの輸送に関する技術を自社で研鑽し、安全性の維持・向上にはとりわけ注力しています。タンクローリに関わる技術を蓄積し、新規車両の設備設計や架装、高圧ガス容器の検査を自社で手掛けている点も当社の強みです。これらの技術は、自社内にとどまらず、大陽日酸を荷主とする同業他社への技術協力や検査請負など、水平展開も行っています。技術を通じて、ガス運送業全体の安全・安心の底上げに寄与することも大切な使命と考えています。

  1. 日本酸素株式会社/1910年 日本酸素合資会社として設立。/2004年 大陽東洋酸素株式会社と合併し大陽日酸株式会社に。/2014年 株式会  社三菱ケミカルホールディングスの連結子会社に。/2020年 持ち株会社体制に移行し日本酸素ホールディングス株式会社となり、その国内事業として  の大陽日酸株式会社となる。
  2. ガスシリンダー:ガスボンベのことで、ガスシリンダー、またはシリンダーともいいます。特殊ガスは、使用量が少ないためシリンダーに入れて運びます。

Q親会社の大陽日酸について教えてください。

日本酸素ホールディングス傘下の
国内最大手の産業ガスメーカー

大陽日酸は、世界第4位の産業ガスメーカーである日本酸素ホールディングス傘下の国内事業専業の産業ガスメーカーです。1910年、前身となる日本酸素が設立され、2004年、大陽東洋酸素株式会社と合併し誕生したのが、大陽日酸です。その後2020年、持株会社日本酸素ホールディングスの誕生により、大陽日酸は国内専業の事業会社となりました。
現在は産業ガスの国内トップメーカーとして、産業ガスの製造・販売ほか、空気から酸素・窒素・アルゴンを分離する大型空気分離装置のプラントエンジニアリングをはじめ、ガスハンドリング、ガスアプリケーションにおいても世界トップレベルの技術を有しています。
産業ガスは様々な製品の製造プロセスにおいてなくてはならないものであり、我が国の産業近代化とともに用途は拡大、需要も急増しました。現在では、鉄鋼、化学、エレクトロニクス、半導体、非鉄・金属、自動車、医療、食品、さらには宇宙・航空分野にまで幅広く使用されています。大陽日酸は、これらの産業に必要な産業ガスを安定供給することで、産業発展の基盤をサポートしています。

Qさまざまな運送業の中で、日酸運輸の特徴は?

求められるのは運転技術だけではなく、
超低温液化ガスを安全に扱う実直さ

超低温液化ガスは輸送効率を考え、全国各所に製造工場を設け、近距離で輸送する体制が整えられています。当社の場合、関東一円を主なエリアとしており、長距離の日をまたぐ配送は特別な場合を除いてありません。行先により朝早い出勤はありますが、極端な早出や遅い帰りはほとんどなく、比較的規則正しい勤務が可能です。
また、一般貨物運送のような荷物の積み下ろしはなく、乗務員が扱う中で重いものはガス充てん用のホースなどです。ただ、超低温液化ガスを安全に運び、安全に充てんするにはその取り扱いについての十分な知識と正しい手順に基づいた確実な作業が重要になります。また、超低温液化ガスは温度による状態変化により、体積が数百倍異なることから安全を確保するため、天候に関わらず常時監視の必要があります。ガスの充てん作業と運転は一人で行いますので、安全に作業を行うために、確実に手順を守るという実直さが乗務員には強く求められます。

2仕事像

Q乗務員の仕事内容を教えてください。求められる資格はありますか?

超低温液化ガスを関東一円に配送

乗務員は酸素、窒素、アルゴンの3種の超低温液化ガスをローリでお客様に配送しています。乗務は原則一人で行い、ガスの充てんとローリの運転を行います。配送エリアは所属する営業所の受け持ちエリアで、関東一円が中心です。安全運行、安全作業を第一の使命とし、そのための始業点検、指差呼称など、基本に忠実に業務を行うことが求められます。
運送には、「大型運転免許」と「高圧ガス移動監視者」の資格が必要で、「高圧ガス移動監視者」については入社後の取得が可能です。

Q超低温液化ガスを運ぶ仕事と、他の運送業との違いは何ですか?

何よりも求められる「ガスを安全に届ける」使命感

超低温液化ガス配送の乗務員は、運転技術も大切ですが、それ以上にガスを安全に扱い、充てん作業を正確に行うことが求められます。そのためには、それぞれのガスの特性とそれを扱う各種手順および、その理由や法令も理解していなければなりません。ガスの充てんには1時間以上の時間がかかることもあり、その間もずっと監視することが義務付けられています。
一般的に、乗務員を募集すると「運転が好き」という方が多く来られます。しかし当社の乗務員の場合、業務に占める運転業務の比率は半分程度で、ただ「運転が好き」というだけでは務まりません。何よりも「ガスを安全に届ける」使命感にやりがいを意識できる方に、ぜひ応募いただければと思います。

Q乗務員以外では、どのような仕事がありますか?

乗務員を支えるさまざまな職種

当社の職種には、ガスを運送する乗務員と、それを支えるさまざまな職種があります。乗務員は当社の中で最も人数が多く、日々、ローリを運転してガスをユーザーにお届けしています。乗務員の配送を直接支える職種としては、各営業所に、「所長」、「配車担当」、「車両担当」、「搭載整備担当」などの営業所管理者がいて、荷主との調整、ローリの日々の運行・整備の管理を行っています。
また、安全な運行を支える職種として、「運輸」、「技術」があります。「運輸」は4つの営業所を含めた全社の運行や安全に関する指導、問題解決、施策策定、荷主との意思疎通及び交渉を行っています。「技術」はローリの更新計画、高圧ガス保安法に基づいた設備管理、技術関連の問題解決を担当しています。このほか、全社の総務、経理、労務、庶務などを担当している「総務」があります。

3これからの日酸運輸

Q今後の日酸運輸の持続的な発展のためには、何が必要ですか?

一人ひとりが問題意識を持ち、レベルアップを図り
生き生きと働きがいのある会社に

日酸運輸は親会社である大陽日酸を荷主として業務を行っているため、幸いにして業績は安定しています。しかし、その環境に甘んじていると、企業としての競争力を失うことにもなりかねません。将来も存続する価値のある企業であるためには、安全・安心に超低温液化ガスを配送するという一貫性を持ちながら、時代のニーズを取り込む柔軟性や企業価値を高める独創性が必要です。
これまでの長い歴史で培った経験やノウハウ、技術力を継承しながら、さらなる企業力向上のために、さまざまな施策に取り組んでいます。その一つが社員の意識改革です。与えられた仕事をこなすことに満足せず、業務の質の向上のために資格取得に挑戦したり、職場や会社全体の問題点や課題を見つけ、その改善に取り組んでいって欲しいと考えています。また、部署間のコミュニケーションを活性化し、情報を共有しベクトルを合わせることで会社全体のレベルアップを図っていくことも重要です。そのような取り組みにより、超低温液化ガス運送業界の中で存在価値を発揮し、社員が生き生きとし、成長を実感するとともに働きがいを覚える会社を目指していきたいと考えています。

Q社員の育成についての取り組みは?

社員の成長を導く、継続的な教育を実施

日酸運輸では、社員の成長と業務の品質向上のために、社員教育には力を入れています。入社時の新入社員教育だけではなく、その後もフォローアップ研修や定期研修を導入し、継続的な成長を支えています。
乗務員の場合、原則として2年間を新人教育期間に設定しています。新入社員研修で超低温液化ガスの基礎からローリの構造・運転などの基礎を学び、その後、先輩が教育係として付いて、マンツーマンで一人で業務ができるまでフォローアップ研修を行います。営業所・会社の運営を担う管理者についても、それぞれの業務の中で自ら課題を見つけ解決していく力を養うため、継続的な研修を用意しています。乗務員や荷主など関係者とのやりとりも多く、コミュニケーション能力の向上も課題と捉え、研修に力を入れています。まだ、導入して日が浅いものもあり、今後も充実を図っていきたいと考えています。

4求める人材像

Q超低温液化ガスを運送する仕事において、最も重要な点は?

実直に安全を守ることが最優先

超低温液化ガスの運送では、乗務員自らがガス生産工場でローリにガスを充てんし、ユーザーまで輸送した後、貯蔵タンクに充てんします。その際、最も重視しなければいけないのはスピードではなく、安全性です。安全な作業のために、厳しい作業手順が定められており、それを正確に実施することが要求されます。指差呼称などの確認作業も確実に行われなければなりません。安全運転はもとよりですが、実直に安全に作業することが何よりも重要な仕事と言えます。
また、自分で作業するだけではなく、報告やコミュニケーションによって、組織全体の安全性向上に寄与することも大切な業務です。常に作業環境を見回し、不安全箇所を見つけた場合は、それを会社に報告することで、対策を講じることができます。また、ユーザーから要望があった場合は、確実に伝達して情報を共有することにより、信頼性や作業品質の向上につなげていきます。

Q日酸運輸には、どのような資質を持つ方が求められますか?

超低温液化ガス運送の自覚と協調性

乗務員については、乗務に必要な運転技術のほか、危険物である超低温液化ガスを扱うという特性上、精神的な安定性など人間的な資質が要求されます。また、誰も見ていない中でも、指差呼称を実施し、確実に手順を守った作業を実行できるなど、実直さも求められます。加えて、業務に必要なことを学ぶ向上心を持ち合わせて欲しいと思います。
納品先には、工場や病院など365日稼働しているユーザーも多く、それらのユーザーに不足することなくガスを供給しなければいけません。その配送業務は、乗務員をはじめ周囲の協力があってこそ成立します。そのため、互いに協力し合うことや、相手を尊重する姿勢を忘れないで欲しいですね。
管理者については、上記の基本姿勢を備えていることはもとよりですが、与えられた仕事だけではなく視野を広げ、自分の成長や会社の改善のために積極的にチャレンジしていくことを求めています。また、業務で関わる関係者、現場や荷主の担当者、経営層とのコミュニケーション力も大切です。

Q最後の質問です。社長は今後、
日酸運輸がどのような会社になって欲しいと思いますか?

業務の品質と企業力を高め、
日本一の超低温液化ガス運送会社を目指そう

日酸運輸は、超低温液化ガス輸送において業界をリードし、自他ともに日本一と認められる運送会社を目指しています。これまでも、超低温液化ガスを安全・安心、そして確実にユーザーにお届けすることを事業の基本としてやってきましたが、今後は、業務の質を高め、企業力を向上させることで荷主の信頼に応え、業界内の競争力を強化していきたいと考えています。
安全・安心を継続していくためには、それを支える人材、組織、技術力が重要です。一人ひとりの社員が、その自覚を持って業務に当たることはもとより、優れた企画力・実行力によって、組織としても安全性をバックアップできればと思います。
業務においては、荷主からの注文をこなすだけではなく、幅広い要求や注文に応える対応力が必要です。そうすれば、一段と荷主から信頼される存在になっていくはずです。また、これまで当社はガスの取扱いやローリに関する技術力の向上に力を注いできましたが、今後は他社も指導できるように技術力に磨きをかけ、会社の力を高めていきたいと考えます。
これらを実現していくためには、組織の最適化とともに、社員一人ひとりが自分の成長や安定的な幸せを実感しながら、生き生きと働ける会社であることが何よりも大切だと考えています。自分を成長させたい、処遇を含め皆が働きやすい環境を作っていきたい──そんなベクトルを発信できる会社になればいいですね。

代表取締役 社長
宮原 誠一

CAREER PATH

1989
日本酸素(株)入社
1990
人事部(採用、福利厚生)
1992
北九州営業所(物流、営業)
1997
労働組合専従(書記長、中央執行委員長)
2002
産業ガス業務統括部(物流)
2004
大陽日酸(株)業務本部ロジスティクス統括部(物流)
2005
ガス事業本部(営業)
2007
中部支社(営業)
2012
管理本部 秘書室長
2016
産業ガス事業本部 ロジスティクスセンター所長
2023
日酸運輸(株)代表取締役 社長

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